2009年 08月 16日
ヴァチカン宮殿にて
この日はツアーに参加。ガイドさんや日本人観光客らと一緒にヴァチカン宮殿をまわりました。ガイドさんの歴史話や作品解説はとても面白く楽しかったです。
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ベェルヴェデーレの中庭にある、石膏デッサンでも登場する「ラオコーン」。1506年に地中から発掘されヴァチカン宮殿に置かれたそうですが、記録によると「ラオコーン」はローマ皇帝ティトゥス(在位79-81年)の宮殿に当時置かれていたそうです。
1世紀に既にこの作品は彫られていたんですね。30代前半のミケランジェロは発掘後この作品を目にし、影響を受けたそうです。

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宮殿の右端2階にある4部屋はラファエロの間と呼ばれる。25歳から37歳でこの世を去るまで仕事をし続け、彼の死の4年後に弟子たちによって完成された部屋だそうです。
その中のひと作品、「アテネの学堂」。この作品は全てラファエロによって描かれたものとのこと。
当時ヴァチカン宮殿ではシスティーナ礼拝堂でミケランジェロが仕事をしていて、若きラファエロはその仕事にもの凄く影響を受けたそうです。

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システィーナ礼拝堂天井画「天地創造」(1508年〜1512年)(画像Wikipediaより)
礼拝堂壁面はボッティチェリやギルランダイオやペルジーノなどによって描かれ、その後ミケランジェロが30代に4年の歳月をかけ完成。最初は助手にも描かせていたそうですが、「へたくそだから」と1人で描ききると決め頑張ったそうです。
とはいえ、故郷の父への手紙には「私はいまだに、途方に暮れています。その理由は、仕事が難しいことと、私の業ではないからです。なぜなら私は画家ではないからです。だから、私は時を無駄にしています。神様!お助け下さい(美の巨人より/テレビ東京)なんて手紙を出したりしているのがとても人間ぽい。

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「最後の審判」(画像Wikipediaより)
天井画完成から20数年経ち、再びミケランジェロにフレスコ画の制作依頼が。1535年から約5年の歳月をかけて1541年に完成。60代での仕事です。凄いですね、頑張っています。この作品もほんとに凄かった。最後の審判をするにあたっての名簿の大きさが、地獄行きが大きくて・天国行きが小さい、ってのはほとんどの人間が悪人だ!って意味なんだってね。細かく色んな表情とか状況を見てくとドラマがあって面白かったです。


さて、ながながと続けてきたイタリアレポートですがこれで終了。
1つ1つの作品がとても語るに多く、なかなか書ききれません。とにかく刺激的な作品の数々。
時間的にはタイトなスケジュールでの美術研修でしたが、とっても有意義でした。
今後に繋げたいと思います!!

by unokazu | 2009-08-16 06:30 | art




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