2009年 08月 06日
フィレンツェ
僕の未公開作品画像を何枚かアップしました。ギャラリーよろしくお願いします。

引き続きフィレンツェの話を。
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アカデミア美術館前。まったく美術館入口らしくない、路地裏感です。イタリアの美術館入口は日本のように派手じゃないようですね。
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注目は、ミケランジェロ(1475〜1564年)のダビデ像。(撮影不可なのでネットの拾い物)1501〜1504年に作られた作品。約4メートル。もの凄く存在が強かった。
僕が行った時は、20代前半の地元学生と思われる人たちがチラホラとダビデ像を遠巻きにデッサンしていた。みんな熱心。近場にこういった学びの場があるのは凄く良い事ですね。
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この日の夜は、文化庁芸術家派遣でフィレンツェ留学中の、先輩夫婦(共にムサビ油絵科卒)と夕食を一緒に食べた。先輩におまかせで店に入ったのですが、どれも凄くおいしかったです。とくに肉のボリュームは凄かった。ほとんど生肉状態で味付けはあっさり塩こしょう。柔らかくてうまかった!
いろんな話も聞けて面白かったです。奥さんがイタリア語ペラペラでビビりました。

# by unokazu | 2009-08-06 20:24 | art
2009年 08月 06日
フィレンツェ
半日かけてウフィッツィ美術館で鑑賞。メディチ家の財力を結集したルネサンス美術のすべてがここにある。2500もの展示品が並ぶそうで、確かに見るのが大変でした。後半は麻痺してちょっとでも興味のないものはチラ見で通過してしまったりも。何日もかけてじっくりゆっくり観てみたいところでした、ほんと。
僕が今回楽しみにしていたのが、ボッティチェリ(1445-1510)の作品。
ぱっと目に入った瞬間「うわぁ!!!」と思わず声が出るくらい衝撃を感じました。ずっと見たかった作品です。
イタリアの美術館はノーフラッシュで撮影可能な場所が多いですが、ここでは監視員に「ノーフォト!」と注意されました。3枚くらい撮った後でしたが…。結構皆バシバシ撮っているので監視員も大変そうでした。
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1477-78年/205 x 315 cm
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1485年/172.5 × 278.5 cm

大きな作品でした。そしてボッティチェリは猛烈に制作をしている。凄いです。
依頼者による安定した収入と制作環境と作者の能力と、いろんな要素が揃わないとやっぱり良い作品は生まれないよなぁ、と見てて感じたりもしました。

それにしてもボッティチェリの作品はいずれも暗い印象を持った。もの凄く手厚い保護を受けているので照明も暗く、本当にこんなに暗い色なのか、何だか色味がよく分からないような気もしました。日本で僕が関わる展示などはばっちりスポットに当てられるので、その感覚に慣れてしまったのかどうか…。
画集で見ていた印象とは違いましたが、体で感じるスケール感はさすが!ボッティチェリの手の動きと体の残像を想像しながら、自分と照らし合わせて観てみると膨大なエネルギーが注がれているのをなおさら実感できた。
土地や宗教や文化や…自分との差異を埋めるには様々な情報を吸収せねばなりません。目に見える造形要素との対峙に重きを置く見方だけではなく、もう1、2歩突っ込んでゆっくり対峙してみたいです。


ミケランジェロやダヴィンチが活躍していた時代に、1492年新大陸発見のコロンブス(イタリア人)もいたり、何だか凄い不思議な時代です。特にフィレンツェはあたかもルネッサンスで時が止まってしまった様な街ですが、あまりにも強力な文化過ぎて上書き出来ない(というかしなかったのか)のも、うなづけます。

# by unokazu | 2009-08-06 03:37 | art
2009年 08月 04日
フィレンツェへ
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ミラノから特急列車でフィレンツェへ移動。
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅前の景色。建物の色やデザイン、石を敷き詰めた道、とにかくフィレンツェは統一感がありました。
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早朝、駅近くのホテルから歩く事約1キロ。アルノ川に架かるヴェッキオ橋。以前からその場所にあった橋は洪水で流され、現在の橋は1345年に再建されたものだそうです。1593年、トスカーナ大公となったメディチ家の私邸であるピッティ宮と公邸であるヴェッキオ宮を結ぶ回廊(ヴァザーリの回廊)が出来たとき、それまで肉屋が占めていた橋の上は金銀細工の店に入れ替わったとのこと。今でもなお宝石店が橋の上に連なっていました。壁の色などがカラフル。
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水を買った売店も色がカラフルで目が気持ちよかった。

# by unokazu | 2009-08-04 00:46 | art
2009年 08月 03日
ミラノ
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ミラノのドゥオーモ前にて。この大聖堂ドゥオーモは1386年にジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティの意向により着工し、約500年の時を経てナポレオンの命により完成。世界最大級のゴシック建築として知られているそうです。
とても立派な建築でした。白色が眩しかった。
世界各地、日本にも言える事ですが宗教心が駆り立てるエネルギーはもの凄く巨大です。
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ドゥオーモ横にはヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。1865年から1877年の間に建設されたガラスのアーチのアーケードです。いろんなお店が密集していて多くの人が行き来し賑わっていた。
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ドゥオーモからアーケードを抜け歩いてポルディ・ペッツォーリ美術館へ。ミラノの貴族の邸宅を美術館にしていて、階段などが特に当時の暮らしを醸し出していました。
ピエロ・デル・ポライウォーロ(1443〜1496)「若い貴婦人の肖像」(1470年頃/45.5 X 32.7 cm)はとても良かった。日本サイズだと8Pくらい。
とってもさっぱりしていて好きな作品。
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こちらはボッティチェリ(1445〜1510)の「書物の聖母」(1480年/58X 39.6 cm)、日本サイズで約10P。
実際見るとかなり暗くて印象は全然違っていた。きっと変色してしまったんだろうなぁと想像。デフォルメされた輪郭線が浮世絵にもちょっと似ている様な気もしました、不思議と。

# by unokazu | 2009-08-03 03:09 | art
2009年 08月 01日
ミラノ
今日は支持体作りに励みました。しばらく作っていなかったので、久々な作業です。
では、イタリア日記の続きを。
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スフォルツァ城から歩いてサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会へ。教会の前はちょっとした広場になっていて、観光に訪れたアジア系の人たちが何人か居た。人はそれほど多くはなかった。
入館がほぼ予約制になっているとのことで、予約者くらいしかその場に居なかったのかもしれない。教会の敷地はそれほど広くもなく、現代の住居に浸食されながらポツンと残った教会といった印象。閑散としながらも、しかしながらここには強力な文化遺産、レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」があるわけです!(館内は撮影不可なので画像はネットの拾い物)
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展示部屋に入った瞬間…「うわ!!デカイ!」と衝撃。そしてフォルムの柔らかさと色彩のリズムにまた感動!だいぶ思っていた印象と違っていた。

1495年から98年頃に制作された作品。
卵と油を混ぜた折衷型の技法により制作された為、痛みが相当激しい。レオナルドが存命中に顔料の剥落があったそうです。痛みが激しいので当時の実際はよく分からないが、現時点で見ると肌の陰と衣服の陰の描写の違いに目が行きました。顔などにはしっかりと濃い陰が付けられているが、衣服は色面の様にも見えた。顔に当たっている光の強さからすると衣服の陰はある意味不自然で同一光源では無い様な印象も受けた。しかしながら逆にその状態が心地よい。暖色、寒色のリズムが心地よく並べられていて、画面の中で僕の目が自然と遊泳している様でもありました。
さらには背景のシャープなコントラスト。緩急の造形がとても心地よかった。

普段制作していて思うのですが、同一光源にもたらされる光と陰の法則をそのまま絵に転写するように描くと、意外と「光から陰」「陰から光」といった様な単純な視線誘導になってしまい、平面上の視線の流れが安易になってしまう様な印象を僕自身感じていたりします。
造形の強弱やリズムの力で、作品自体の世界観を操ってより自分の感覚に近づけようと、常々感じていたりもするところです。

レオナルドのこの作品は、イエスが「あなたがたの中に私を裏切る者がいる」と告げた瞬間のシーン。手の動きや顔の表情、衣服の色彩の選択、室内のデザインや全体構成。1枚で魅せる作家の能力は計り知れない…凄かった…。この絵は、その他様々な要素を含む謎に満ちた魅惑的な作品ですが、その話しはまたの機会にでも。


続く。

# by unokazu | 2009-08-01 22:36 | art
2009年 07月 31日
イタリアへ ミラノから
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美術研修の為、取り扱い画廊の画商Uさんと2人で1週間ほどイタリアへ行ってきました。
日本から約12時間のフライトでミラノへ。空港からバスで移動し、ミラノ中央駅下車。
何だかとても立派な駅です。吹き抜けの天井はものすごく高い。
イタリアは日本の北海道と同じ緯度だそうですが、とても暑かった。30度は越えていたようです。
初日は夕刻の到着でしたので、ホテルに入り翌日の打ち合わせをしたくらいで早々に就寝。
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翌日、電車で移動しスフォルツァ城へ。
ミラノのルネッサンス期最大の宮殿で、かつての領主、ヴィスコンティ家の城跡にフランチェスコ・スフォルツァにより1450年に城塞都市として建てられたもの。
とても広大な印象を受けました。
城内展示オープン前に現場に着いたので、広場をゆっくり見て歩いた。犬の散歩をしているおじさんなども居たり、市民の公園として機能しているようでもありました。
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城内は、彫刻、陶器、楽器、衣装、コインなどなど、さまざまなジャンルの展示が続く広大な博物館になっています。しばらく部屋を歩いて行くと、「アッセの間」へ辿り着く。1498年頃、ダヴィンチ46歳の時に手がけたフレスコによる植物文様天井装飾。ダヴィンチと工房による仕事だったそうです。見た目は痛みが激しいものの、植物で埋め尽くされた天井は圧巻でした。当時の奇麗な状態であればどんな感覚を味わえただろうか…と思わずにはいられなかったです。
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最後の部屋には、ミケランジェロの「ロンダニーニのピエタ」。死の数日前まで手を入れていたというミケランジェロの遺作。制作途中で構図を大胆に変更している状態でこの作品は終わってしまっているのだが、その様子を見る事が出来たのも刺激だった。
「ピエタ」という言葉は「敬虔(けいけん)な同情」という意味のイタリア語で、イエスの亡骸を聖母マリアが抱きかかえるシーンがモチーフとなっているとこのこと。

滞在初日午前中ではあったが、人間力と美術力、人間とは…、もの凄く見せつけられた感じはしました。ひたすら凄いです。


しばらくイタリア日記を続けたいと思います。続く…。

# by unokazu | 2009-07-31 16:38 | art


    


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