2013年 01月 16日
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」を読んでみました。昭和8年に発表されたものです。 この本を読んでみたきっかけは、原研哉さんの「デザインのデザイン」という本の中(pp.158~160)で紹介されていたことによります。 「デザインのデザイン」も面白かったですが、「陰翳礼賛」もとても面白かったです。 日本人が古くから美しさを見出して来た陰翳というものへの鋭い視点と意見。文中「西欧化で陰翳の美は失われる」との内容がありましたが、西欧化された生活をベースに生きる現代日本人にとって「陰翳美」は、もはや異文化?になってしまっただろうか。自身へ問いながら読んでみましたが、その美意識、意外にもすごく共感できました。自分の中にも知らず知らずにそういった陰翳の美が染み込んでいたのだろうか。日本人だから?それとも人間として?? 薄暗がりで食べるみそ汁や羊羹。工芸品や衣服、所作や音も含めた在り方の美。なるほど、じんわり染みてくる様な余韻、多いに納得でした。 この本、何となく、乱暴(?)な人間臭い語り口も好きです。 「客ぎらい」という章もおもしろい。猫のシッポの話。一応聞いてますよ、みたいなテキトウなリアクションをする時にもってこいなシッポ振り。これがあればコミュニケーションの幅が広がるのになぁ、猫はいいなぁ、といった内容。面白い視点で笑える。 さて、「陰翳礼賛」が指す、道しるべとしての「矢印」。そこへ向けられた意識。 ここからは僕次第。
by unokazu
| 2013-01-16 00:45
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