2020年 08月 21日
作品の話
2020年6月の日本橋三越本店にて開催された個展「卯野和宏 光と闇の円環」展に出品していた作品です。
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「森の出口」20M(727×500mm)/油彩/2020/鶴の来る町ミュージアム蔵

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※作品部分画像


今年の個展でもそうでしたが、近年特に、自然との融合、また、中空構造という表現の在り方に意識が向いています。

老荘思想、道教、禅、そして茶道(teaism)。
自然との共存、その関わり方や美意識。絶対的なものはなく、全ては常に移り変わり、多義的であるという考え方。東洋における芸術方面への影響としては、具体的なところでは水墨画や俳句などにみられる在り方だと感じますが、空や虚が含まれる断定しない表現の在り方、ある種の不完全性が無限のイマジネーションを覚醒させるという効用、そういった調和の美がとても好きで、しっくりきています。

東洋文化を紹介する書籍で先の様な考え方と歴史に改めて触れたものの、個人的には中学時代の美術の教科書で初めて見たアメリカのアンドリューワイエスの作品に対してもほぼ同じ様な感覚を覚えた記憶があります。(勝手な感想としてはデンマークのハンマースホイの作品にもそいうった面白さを感じ惹かれています。)

研ぎ澄まされた再現描写はそれだけの要素でも絵画画面や鑑賞者をも制圧してしまう強さと魅力があるかとは思いますが、その方向とは違う(東洋方向?かどうかはさておき)先の様な感覚で「描写」というものに向き合えればと常々感じております。

自然との融合、中空構造表現、言葉で簡単に言ってはみても、それを研ぎ澄まされた調和をもって形にするのはこの上なく難しい。思考の地図を眺めてアレコレとイメージを巡らせているだけでは、自分の絵画は何も始まりません。自分の足で歩み、自分の絵画を成し遂げていきたいです。
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※作品部分画像
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by unokazu | 2020-08-21 17:55 | works




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