2009年 08月 14日
ローマを歩く
ヴァチカン宮殿は翌日のツアーに同行する事にしたので、ヴァチカンをあとに。コロッセオへ。
c0053436_2222327.jpg
c0053436_2305523.jpg
紀元80年に完成した円形闘技場。ローマ皇帝主催により、血なまぐさい格闘ショーがおこなわれていた場所です。教会などの文化遺産は現在進行形で意味を保ち形体を維持していますが、こちらは全てが「夏草や 兵どもが 夢の跡」。
コロッセオ周辺の木々や草は青々と生命のサイクルを繰り返していますが、ここは取り残された残骸です。滅亡感がひしひしと伝わってきて物悲しい。
誰もが各々初めての人間ですからモノを分かる為に日々研鑽しますが、知識も能力も感情も消えて行くんですね。しかしながらモノは残った…。モノ作りに永遠を見てしまう様な意識は少なからず僕はあるんですよね。そこらへんがまた面白い。

c0053436_23215588.jpg
映画「ローマの休日」で、オードリー・ヘプバーンがジェラートを食べたシーンでもおなじみのスペイン広場。僕はまだ映画を見てないのでそれほどピンとこなかったが、この場所はやはり大人気スポットのようでした。

c0053436_23264789.jpg
トレビの泉にて。1762年に完成したとのこと。
例の、後ろ向きにコイン投げる儀式…、僕もやってしまいました。

# by unokazu | 2009-08-14 23:40 | art
2009年 08月 14日
ローマ ヴァチカン市国
c0053436_0392198.jpg
c0053436_01318.jpg
ヴァチカン、サンピエトロ大聖堂前。ローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会と東方典礼カトリック教会の中心地、いわば「総本山」ということで、とても壮大でした。建築設計競技によって ドナト・ブラマンテが主任建築家に任命され1506年に着工、以後ミケランジェロやラファエロなども関わり1626年に完成。
c0053436_044993.jpg
大聖堂の中はもの凄く豪華。フィレンツェはしっとりしてましたが、ここはピカピカのゴテゴテでスケールがデカイ、そんな印象でした。光の差し込み方もまた神々しい。
c0053436_0571794.jpg
大聖堂入口右側にあるのがミケランジェロ25歳の時の作品「ピエタ」。ミケランジェロはもうとんでもなく凄いのですが、この時代の芸術家たちのレベル自体がもの凄い。皆が再現力としての「彫れて描けて当たり前」が最低ラインなんでしょうね。ピエタは母子像ですが、聖書的なモチーフにどう自分の人生観を乗せるのか、感情の豊かさがないと、技術だけじゃここまで魅了はしないだろうと感じます。
仕草などもそうですが、特に顔の表情は目尻や口角などが1ミリずれただけでも別感情になってしまうくらい繊細だから、よっぽど作り手側に感情のイメージが無いと、もの凄く曖昧になってしまう。そんな印象があります。あんまり偉そうな事も言えないけど…。

若くして高水準の作品を作るってことは、技術もさることながら、人生観や感情力の豊さも必要でしょうから、それを思うとどんな子供だったのか、と思ったりもする。

自分を見つめて他人を見つめて…心を見つめるのって個人的には結構エネルギーがいることで、
意外と喜怒哀楽を野放しにして、振り返りも立ち止まりもせずひたすら時間に垂れ流している状態がもっとも楽だったりもする。
小学校時代なんかはまさにそれ。大人になるとなかなかそれも出来ないでしょうが、立ち止まらないラクさは時として感じます。忙しいと立ち止まらないから結構楽なのだ。それじゃ人としてつまらないだろうけど。

25歳でピエタを完成させた彼は、実際何を思っていたのだろうか、とマジマジと見ながらそんなことも思いました。

# by unokazu | 2009-08-14 01:52 | art
2009年 08月 12日
シニョリーア広場にて
c0053436_17143169.jpg
一通りフィレンツェをまわった後、夕食までにはちょっと時間が。同行の画商さんはホテルでゆっくりするとのことで、僕はシニョリーア広場へスケッチに出かけた。開けた場所なのでここは観光客も多い。
c0053436_16415147.jpg
c0053436_16421126.jpg
「サビニの女の略奪」1581〜3年/ジョバンニ・ダ・ボローニャ/高さ410cm/大理石
ロッジア・デイ・ランツィと呼ばれる彫刻廊にはたくさんの彫刻が並べられている。僕が行った時は、地元の高校生(?)たちが20人ほどデッサンの授業中で、各々点々と彫刻を描いていた。指導にまわる女性の先生が1人。空いている場所を見つけて僕も腰をおろして一緒に描く事にしました。
この作品は後期ルネサンス美術、マニエリスム様式の時代です。らせん状に人が絡み合っている。先代は正面鑑賞型による作品が多かったが、この時代になると360度鑑賞を意識し始めたとのことです。こんなポーズ良く考え出したものだ…、と驚愕です。

絵を描いているといろんな人が覗き込んできたり、話しかけてきたり、何気に面白かった。
僕の右隣で女子学生がデッサンをしていたこともあって、先生が覗き込んで来たり、男子学生が話しかけてきたり。イタリア語で捲し立てられたので分からず適当に微笑んで対応してしまったが、雰囲気は通じたことでしょう、きっと。
イタリアの観光地では人種も様々ですが、アジア人の女の子にも話しかけられた。英語の発音が凄かったので恐らく韓国人かもしれませんが、二言三言しゃべって一眼カメラのしっかりしたヤツでバシバシ写真撮られてバイバイしました。

普通に観光客で歩いていると、物売りのブラック系おじさんが話しかけてくるくらいですが、絵を描いていると交流が広がる感じがささやかな時間ながら楽しかったです。

僕と同い年くらいの人かと思うが写真3枚目の左側にぽつんと居る白Tシャツの人もずっと絵を描いていて、夕方近くに水彩やり始めてたのですが、「ノー!ウォーターカラー!」と警備員に怒られていた。その場所にも明るい頃には学生らがいっぱい居たのだが、気付いたら皆帰ったようです。

日も暮れ出した頃、画商さんと落ち合いレストランへ向かいビールとパスタの夕食を楽しんだ。
この日がフィレンツェ最後。
翌日国内線飛行機でローマへと移動しました。

# by unokazu | 2009-08-12 18:15 | art
2009年 08月 10日
フィレンツェの街をぐるり
ドゥオーモを上った後、メディチ家礼拝堂へ。中は修復中で足場が組んであったり、あるべき彫刻もどこかへ移動されて無かったり。残念!
c0053436_21545493.jpg
ミケランジェロによる「ロレンツォの墓」「ジュリアーノの墓」は良かった。石膏デッサンで見かけるジュリアーノ・メディチですね、画像の真ん中の人。(館内撮影不可の為ネットの拾い物)
c0053436_21533324.jpg
昼、前日夜に食事した先輩とサンタ・マリア・ノヴェッラ教会で待ち合わせ、ぐるりとフィレンツェを案内して頂きました。観光雑誌には載っていない様なマニアックな教会を幾つかまわった。マニアックとはいえ、教会の絵などは大学の授業で見た物ばかり。イタリアとはほど遠いアジアの片隅の、大学でみた数々の作品スライド…この地にこうして現実的に普通に散らばっていたとは。


バスで丘を上りミケランジェロ広場へ。
c0053436_2222542.jpg
さらに坂を上へ歩いて行くと、サン・ミニアート・アル・モンテ教会へ。教会敷地からみた風景。フィレンツェの街が一望できます。
c0053436_22212372.jpg
教会の中は薄暗くひっそりとしていました。設計は13世紀に建造されたロマネスク様式のものとのこと。

しばらく教会で一息つき、バスで再び街中心部へ向かい、この日は駅近くで先輩と別れた。
いろんなものが見れて楽しかったです。本当に感謝です。

いろいろ見てると、誰が何をいつ作ったなど、人物相関図や時系列関係がごちゃごちゃになってきて一度整理してみないと若干混乱してしまいます、僕は。
しかし面白い!
もの凄い量と質と人と…本当にいろんな人が色んな物を残したんだな、と現実を目の前に感慨深い。刺激的な街です。

# by unokazu | 2009-08-10 23:16 | art
2009年 08月 08日
フィレンツェ ドゥオーモ クーポラ
c0053436_0103373.jpg
フィレンツェの象徴的な建築物であるドゥオーモ。大聖堂の天蓋が特徴的。 1420年ブルネレスキによってクーポラ(丸屋根)建設開始、1434年に完成したそうです。

クーポラには463段の階段をつかって上る事が出来る。
本当は前日の朝一番のすいてる時間帯に行こうと思っていましたが、その日は何と休み!
英語圏の高校生風の団体も一緒に並んでいましたが、その団体の先生が「わ!ごめん!今日休みだわ!!」みたいなことを言い出して、僕らにもクローズだよと教えてくれてその日は団体共々ドゥオーモを後に…。
翌日の朝一番、再び昨朝の高校生たちと一緒にオープンを待ちました。c0053436_1143624.jpg



大聖堂の裏側の入口から、延々とこのような薄暗い階段を上って行きます。高校生たちと一緒だったので結構賑やかではありました。






階段を上って行くと頂上間近の開けた通路へと。
c0053436_125723.jpg
かなり高い場所まで上ってきたのだとここで分かる感じでした。クーポラ内側はヴァザーリと弟子らによるフレスコ画。断崖絶壁にちょこっと飛び出た通路といいますか、下を見ると恐ろしい。
c0053436_1314472.jpg
c0053436_1415248.jpg
石造りということですが、微妙に石が水平じゃなくてガクガクしていて少し怖かった。
眺めはもの凄く最高。ギラギラの光線を浴びた街はキラキラと光っていました。
c0053436_271896.jpg


# by unokazu | 2009-08-08 02:13 | art
2009年 08月 06日
フィレンツェ
僕の未公開作品画像を何枚かアップしました。ギャラリーよろしくお願いします。

引き続きフィレンツェの話を。
c0053436_17185817.jpg
アカデミア美術館前。まったく美術館入口らしくない、路地裏感です。イタリアの美術館入口は日本のように派手じゃないようですね。
c0053436_1733244.jpg
注目は、ミケランジェロ(1475〜1564年)のダビデ像。(撮影不可なのでネットの拾い物)1501〜1504年に作られた作品。約4メートル。もの凄く存在が強かった。
僕が行った時は、20代前半の地元学生と思われる人たちがチラホラとダビデ像を遠巻きにデッサンしていた。みんな熱心。近場にこういった学びの場があるのは凄く良い事ですね。
c0053436_2055288.jpg
c0053436_19562621.jpg
この日の夜は、文化庁芸術家派遣でフィレンツェ留学中の、先輩夫婦(共にムサビ油絵科卒)と夕食を一緒に食べた。先輩におまかせで店に入ったのですが、どれも凄くおいしかったです。とくに肉のボリュームは凄かった。ほとんど生肉状態で味付けはあっさり塩こしょう。柔らかくてうまかった!
いろんな話も聞けて面白かったです。奥さんがイタリア語ペラペラでビビりました。

# by unokazu | 2009-08-06 20:24 | art
2009年 08月 06日
フィレンツェ
半日かけてウフィッツィ美術館で鑑賞。メディチ家の財力を結集したルネサンス美術のすべてがここにある。2500もの展示品が並ぶそうで、確かに見るのが大変でした。後半は麻痺してちょっとでも興味のないものはチラ見で通過してしまったりも。何日もかけてじっくりゆっくり観てみたいところでした、ほんと。
僕が今回楽しみにしていたのが、ボッティチェリ(1445-1510)の作品。
ぱっと目に入った瞬間「うわぁ!!!」と思わず声が出るくらい衝撃を感じました。ずっと見たかった作品です。
イタリアの美術館はノーフラッシュで撮影可能な場所が多いですが、ここでは監視員に「ノーフォト!」と注意されました。3枚くらい撮った後でしたが…。結構皆バシバシ撮っているので監視員も大変そうでした。
c0053436_1352292.jpg
1477-78年/205 x 315 cm
c0053436_132026.jpg
1485年/172.5 × 278.5 cm

大きな作品でした。そしてボッティチェリは猛烈に制作をしている。凄いです。
依頼者による安定した収入と制作環境と作者の能力と、いろんな要素が揃わないとやっぱり良い作品は生まれないよなぁ、と見てて感じたりもしました。

それにしてもボッティチェリの作品はいずれも暗い印象を持った。もの凄く手厚い保護を受けているので照明も暗く、本当にこんなに暗い色なのか、何だか色味がよく分からないような気もしました。日本で僕が関わる展示などはばっちりスポットに当てられるので、その感覚に慣れてしまったのかどうか…。
画集で見ていた印象とは違いましたが、体で感じるスケール感はさすが!ボッティチェリの手の動きと体の残像を想像しながら、自分と照らし合わせて観てみると膨大なエネルギーが注がれているのをなおさら実感できた。
土地や宗教や文化や…自分との差異を埋めるには様々な情報を吸収せねばなりません。目に見える造形要素との対峙に重きを置く見方だけではなく、もう1、2歩突っ込んでゆっくり対峙してみたいです。


ミケランジェロやダヴィンチが活躍していた時代に、1492年新大陸発見のコロンブス(イタリア人)もいたり、何だか凄い不思議な時代です。特にフィレンツェはあたかもルネッサンスで時が止まってしまった様な街ですが、あまりにも強力な文化過ぎて上書き出来ない(というかしなかったのか)のも、うなづけます。

# by unokazu | 2009-08-06 03:37 | art


    


(c) Kazuhiro Uno.All rights reserved.