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2019年 05月 01日
国宝 東寺
東京国立博物館「国宝 東寺」へ、素敵な方々とご一緒してきました。

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写真:東京国立博物館の前で

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加藤ギザンさんの専門分野ということで、色々と解説をして下さった様ですが‥、つい単独行動をしてしまい自分のペースで展示を見てしまいました‥。僕は仏像の歴史に詳しくはないのですが、見ることはとても好きです。

凄まじく切実で瑞々しい人々の生き様を内包する跡形。別世界ではない地続きとしての存在。自分の鼓動が静かに響き、自分に流れる時間をただただ傍観している様な不思議な感覚が湧いてきます。

数々の跡形の先端に立っていること、その先の未来が永遠に続くこと。
対岸としてではない地続きとしての過去と未来の間。
万葉集における人々の何気ない生命の痕跡、叙情の歌。
ピラミッドよりも約7000年も古い1万1600年前のトルコのギョベクリ・テペ遺跡の宗教施設に想いを馳せ、人々が引きつけられる美や祈りの力について考え、自分を顧みる。
壮大な時間における「一つの点」としての自分が、膨大な記憶が染み込んだ大地にぽつんと漂うイメージと重なっていく。

昨年から「跡形の先」と題する作品を立て続けに描いていますが、このシリーズは先の様な感覚がモチーフとなっています。2016年から描き始めた「対岸の音」と題するシリーズとは表裏の感覚と言えるかもしれません。
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霧雨が降っていたこともあり、木々を抜ける風には爽やかな潤いがありました。
自分を「今」に引き戻しつつ、蕎麦屋で昼食を。
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食後に喫茶店へ。
僕の席の近くではお互いの経験談を交えながら、佇まい、ブレない精神、心の在り方等の話をしていたと思います。それぞれ職種は違えど取り巻く関係性の構造はとても似ている。向き合う対象やスタイルは違えど、人が関わっているという共通項から分かり合い検証し合えるところがとても有意義に感じます。

刺激を沢山頂けた1日でした。皆様に感謝です。沢山写真を撮って下さったモトさん、ありがとうございました。



# by unokazu | 2019-05-01 15:36 | art
2019年 04月 20日
創と造2019
展示のお知らせです。

20号の作品1点を出品します。
東京会場は4月と5月に2度開催があります。どちらを見ていただいても大丈夫です。
なお在廊の予定はありません。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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※入場無料
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# by unokazu | 2019-04-20 11:24 | art
2019年 04月 06日
工房見学会
彫刻家・加藤巍山さんの工房見学会に参加しました。
見学会の筆頭は、てぬぐいブランド「かまわぬ」専務取締役・高橋基朗さん。女性お二人は初めてお会いしました。向かって左奥の女性はバカルディジャパンPRの児島麻理子さん。向かって右奥の女性はAronatura(アロナチュラ)代表取締役 山内みよさん。
ギザンさんとは自宅が近いこともあり工房で作品を見せて頂く機会が度々あるのですが、今回は改めて素敵な皆様とご一緒に彫刻について作品について色々と勉強させて頂きました。

まずは創業140年の鰻屋さん高橋屋にて食事を。
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ギザンさん行きつけの鰻屋さん。制作スタイルや作品に込めるイメージ等の話題になりました。油絵は描き直しが何度でも出来ますが木彫はそうはいかない。やはり一筆の重みに対しての一彫の重み、緊張感の違いを感じます。日々の生活リズムをほぼ一定に保ちながら制作を進めて行くことでメンタルのブレを無くすスタイルは僕と違うところです。油絵の場合には画面の中で自分の感覚を探りながら流動的に完成へと向かうことができるので、ふと湧いたイメージを実験的に取り込むことへのリスクは低い。感情の揺らぎが作品の中で効果的に機能することもあります。木彫の場合、流動的に迷うことは難しい。彫り作業よりも前の工程にあたる粘土の原型作りにおいてイメージを明確に具現化しなければならないところが独特に感じます。
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絵画にしても彫刻にしても、作品を生み出す為にはそれなりに時間を要します。数千年の時を超え今もなお人々を魅了し続けている作品も存在している。その様な時間感覚から現代に生きる作家として、世の高速とも思える流行り廃りのサイクルにどう向き合うかという話も興味深い。彫刻家であり仏師でもあるギザンさんは「様式化、体系化される以前の仏の姿にはある"恐ろしさ"が宿っている。近代教養では計り知れない人類の根源。その対岸にある現代という化物。」という話をされています。
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作家の仕事について。僕のイメージですが、「この世×自分」この関係の中から‥目には見えない引力を内包する種を造形を通し作品として結実させること、直視可能な新たな姿をこの世に生み出すことが作家の仕事だと考えています。人の体は食べずには生きられない、精神も同様に糧なくしては人として生きられないのではないだろうか。その糧に携わる者としての責任は必ずやあるはずだと感じます。他者、自分の存在に対する敬意の為にも、結実させる実はより高い純度を常に目指さねばなりません。そう目指すことが自然の摂理として、とても健全であると思われます。

四季の循環や生命の循環、宇宙の循環、この世には様々な流れがありますが、興味があるのはそういった自然の摂理にのった時間の流れとそこから見える世界。
例えば人体というモチーフについて。意識せずともこんこんと流れ受け継がれる生命体としての記憶、姿。美術的な言葉でいうところの「写実的具象的表現」は自然の恵み・畏怖・敬意を宿す在り方としてはとても適している様にも思えます。



ギザンさんの工房にて。制作途中の新作を前に、さらに詳しく色々とお話を聞かせていただきました。言葉とは違う、手仕事による造形という行為でなければ引き出せない感覚やエネルギーがある。改めてそんなことを感じました。
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楽しく刺激的な時間でした。
各分野で活躍されている方々がギザンさんに惹かれる理由がとても分かります。



ギザンさん、モトさん、マリコさん、ミヨさん、貴重なお時間を共有させて頂きありがとうございました!
今後の活動に繋げていきたいと思います。



※作品画像:@gizankatohより




# by unokazu | 2019-04-06 14:21 | art
2019年 01月 10日
新年明けましておめでとうございます
2019年が始まりました。

ここ数年間の年末年始はとても忙しかったこともあり家族に帰省してもらい独り黙々と制作をしていたのですが、今年は自宅にて家族全員で新年を迎えることになりました。(決して今年が暇という訳ではないのですが‥)
元旦は自宅から車で10分ほどの神社へ初詣に行きました。賑やかな雰囲気に新年の勢いを感じました。

今年はグループ展にいくつか参加しますが、春頃からは2020年6月頃の日本橋三越での個展に向けて作品を描き貯める年となります。より良い作品を発表できる様に今年も精進していきたいと思います。

新しい年が素晴らしい一年になりますよう、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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# by unokazu | 2019-01-10 01:18 | notes
2018年 10月 30日
Sextet(セクステット)展
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卯野和宏・小木曽誠・木原和敏・平澤篤・藤原秀一・福井欧夏

■会場:Galley NAO(東京都港区六本木7-2-28 セントラル乃木坂101)
    tel:03-6447-2407
■会期:2018/10/30[火]ー11/10[土]11:00-18:00 ※休廊日11/1、8
※在廊の予定はありません。

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「ガラス瓶と陶磁器」6P(273×410mm)/油彩・パネル/2018 ※額装写真です

初めて出品するギャラリーです。画廊内は白壁のスペースと赤壁のスペースがあります。壁紙が赤い画廊は珍しい気がします。

<ギャラリーNAOへの行き方>
地下鉄千代田線「乃木坂駅」出口3より徒歩2分。「セントラル乃木坂」というマンション入り口の半地下になっている一階に画廊があります。
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※画像:Googleストリートビューより



去る10月10日、つい先日の事ですが「Sextet展」メンバーの平澤篤さん(享年57歳)がお亡くなりになりました。
本展において、急ではありますが最期となってしまった絶筆の作品と平澤さんのアトリエに飾られていた作品が追悼展として展示されることになりました。グループ展ではありますが、ほぼ平澤さんの個展の様なスタイルになっています。何卒ご了承の上、ご高覧賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

国立新美術館から程近い画廊で、日展(11/2~25)とも会期が重なってる展示です。お近くにお越しの際にはぜひお立寄り下さい。




# by unokazu | 2018-10-30 12:42 | art


    


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